「ブンミおじさんの森」という、タイの映画を見ました。
腎臓病を患ったブンミという男性が主人公です。
彼は自分が経営する農園に、他界した妻の妹と、その息子を呼び寄せ、農園を継いでほしいともちかけます。
都会暮らしの義妹は難色を示すのですが、ある日、三人で夕食を食べていると他界したはずのブンミの奥さんが現れます。
いわゆる幽霊なのですが「あら、フェイ(他界した奥さんの名前)なのね」というだけで、誰もぎょっとしたり、慌てることもなく、霊を交えて淡々と会話をすすめていきます。
「タイの人にとって、霊はとても身近な存在なのかな」と不思議に思っていると、次は、行方しれずになっていたブンミの息子もその食卓に現れます。
なんと、全身毛だらけ、目は真っ赤に光っています。
息子はサルの精霊になっていたのです。
この異形にもかかわらず、誰も騒ぐことなく、すんなりと受け入れ、食卓での会話が進んでいきます。
「タイの人は霊だけでなく、精霊も身近なの?」と、見ているこちらの方が、驚きます。
濃い緑に包まれたタイの農村と人々のおだやかな会話とゆったりとした時の流れ。ストーリーに起伏も結末もありませんが、なんとも不思議な映画でした。
万人にお薦めすることはできませんが、一生という短いスパンで物を考えるのではなく、輪廻のサイクルでゆったりと死生観を考えるという意味で、興味深い映画です。
街のレンタルショップではまず置いていないでしょうが、AppleのiTunesで、300円でレンタルできます。興味を持たれた方は、ご覧になってはいかがでしょうか?
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