受験の方法を決める

今回は勉強と受験・進学に関する連載の4回目です。

受験はお子様にとって、辛く厳しい関門です。お子様にとって最も適した受験方法を選ぶことによって、合格を勝ち取り、はつらつとした学生生活を送れるよう、親として最善の努力をしていただきたいと思います。そのためにも親として、各受験方法の特徴をしっかり把握する必要があります。

大学受験を例にあげると、受験方法は大きく分けて「指定校推薦」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」「共通テスト利用選抜」「一般選抜」の5種類があります。入学してしまえばどの方法で入学したかはまったく関係ないのですが、お子様にとって、どの受験方法を選択するかによって、その大学が広き門になったり、狭き門になったりとかなり差が出ます。

受験方法を決めるにあたっては、高校に入学してから現在に至るまでの授業態度、出席日数、成績、得意な教科、部活動、学外活動、そして何よりもお子様の性格、瞬発力、持続力を十分に検討した上で、もっとも高い成果が期待できる受験方法を選ぶことが大切です。

では、各選抜方法で考慮すべきポイントの一部をお伝えします。

まずは「指定校推薦」について

あなたのお子様が通っている高校が「この学校なら行っても良いかな」という大学から、指定校を受けている場合は指定校推薦を検討してください。ただし気をつけるべき点がいくつかあります。まずは大学が要求している成績をクリアしていること。もちろん、この成績以上であれば大丈夫なのですが、あなたのお子様以外にもこの学校を希望する生徒がいると、より成績が高い方が選ばれてしまいます。いわゆる学内選抜ですね。

それと指定校推薦の欠点は、お子様の本来の実力よりもどうしても1ランクから2ランク下の学校になってしまうことです。他の選抜方法を選んで努力さえすれば、もっと上のランクの学校に行けるチャンスがおおいにあります。

あなたのお子様が堅実さを求める性格かつ、受験のプレッシャーに耐えられそうもなく、受験に向けて自分を追い込むようなエネルギッシュさに欠けるというのであれば「指定校推薦」がよいでしょう。

次に「共通テスト利用選抜」について

国立大学受験をする場合はもちろんなのですが、私立大学しか受験しない場合でも「共通テスト利用選抜」は検討してください。

この場合、第1志望から第5志望までの各大学の「共通テスト利用選抜」の教科を調べてください。大学によって選考対象となる科目数や科目にかなりばらつきがあることがわかります。

選考対象となる「すべての科目」の高2までの成績が優秀なのであれば、「共通テスト利用選抜」を主力にしましょう。ただし、「共通テスト利用選抜」は「一般選抜」よりも偏差値が高くなりますので、選考対象のすべての科目に相当の自信があることが大前提になります。そして、万が一のために「一般選抜」も必ず受験してください。

勉強は高1〜2までのおさらいが中心になります。高得点をとるような掘り下げた学習の仕方ではなく、浅く広く、失点をしないことに力点を置いた勉強方法になります。

次は「一般選抜」について

私立大学の「一般選抜」の多くは3〜4教科の選考です。たとえば3教科選考を例にあげると、<自分としては>「1教科が最も偏差値が高く、1教科の偏差値が高い」または「3教科の偏差値が高い」にあたる方が「一般選抜」を選んでください。
それよりも下の場合は「一般選抜」を選んでしまうと困難を極めます。

教科数が少ない分、かなり掘り下げた知識と理解力が必要になります。また「共通テスト利用選抜」とは異なり、高3の最後までが試験範囲になります。受験科目が得意かつ、自分を追い込むことができる強い意志と持続力を持っている方に向いた受験方法です。

そして最後が「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」です。

「学校推薦型選抜」は高校の学校長推薦がつきます。それにたいして「総合型選抜」は自己推薦です。そして、この2つの受験対策には基本的には差がありません。大学によっては、「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の両方での受験が可能なところもあります。

実はこの「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」はもっとも実力以上の大学に合格することができる可能性を秘めた受験方法です。

しかし、かなりしっかりとした準備が必要で、生半可な気持ちで取り組むと痛い目にあいます。

1番の難しさは準備期間がとても短いことです。早い大学だと9月、遅くとも11月には選抜試験が行われます。「一般選抜」と比べると準備期間がとても短いのが特徴です。お子様に高い集中力と瞬発力が求められます。ダラダラしがちな性格のお子様には向きません。

また、大学によって選考内容が大きく変わることも対策の難しさに拍車をかけます。ある大学は小論文を自宅で作成して郵送提出なのに対し、ある大学では試験当日に課せられます。また論文だけでなく、課題に対しての要約文の作成を求めたり、筆記試験の科目も科目数も異なります。

つまり、「共通テスト利用選抜」や「一般選抜」のように各校同じ対策にすることができません。第1志望校の試験内容に合わせると、第2志望や第3志望校の受験を泣く泣くあきらめなくてはいけないということが起こりうるのです。

また論文は作文とは異なります。お子さんは小学生の頃から作文をたくさん書いてきましたが、論文を書いたことはおそらくないはずです。論文は何をゴールとし、どういった論旨構成にするか、その骨格作りができていないと評価の対象にすらなりません。今通っている塾の先生に指導してもらうのではなく、論文対策専門の塾で特訓を受ける必要があります。これは面接に関してもまったく同じことがいえます。

また高校生活において突出した成果も必要です。「生徒会長としてがんばっていました」では評価してもらえません。部活動や学外活動で「全国大会に出場した」が標準です。また、ただ全国大会に出場しただけではなく、そのためにどのような努力をしたのか、仲間たちにどのような働きかけをしたのか、その過程においてどのような学びがあったのか、またそれらの体験を通して、どのような生き方をしたいと考え、どのような社会人になりたいと思ったのか、だからこの大学のこの学部を選んだのです、という一本筋を通す必要があります。

選考する人の立場になって「この生徒なら、うちの大学でしっかり学んでくれそうだ」「ドロップアウトしなさそうだ」と思ってもらわなくてはいけません。

全国大会への出場がないなら、小・中・高校と通してずっと同じボランティアや社会活動をしていたことによって、目的意識と意志の強さを示すというのもありです。わずか1、2年だけ行った活動では評価してもらえません。

そして一番考慮して欲しいのは<学校推薦型選抜・総合型選抜>と<一般選抜>の併用はほぼ無理だということ。

「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」の対策をしていると、各教科を掘り下げたレベルまで到達する時間が足りなくなってしまうからです。<学校推薦型選抜・総合型選抜>と<一般選抜>は全く異なる受験スタイルであり、「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」は特定の人にしか適さない選抜方法です。

あなたの指導霊はお子様の授業態度、成績、得意な教科、部活動、学外活動、お子様の性格、瞬発力、持続力などを客観的に把握しています。その上で、最も高い成果をあげる受験方法の選択とそれに対する注意事項を教えてくれます。

受験は親と子の協調戦です。親としてできる限りのことを我が子にしてあげてください。そのことが、親と子の絆をさらに高め、お互いが感謝と信頼しあう仲へと導いてくれるのです。



勉強と受験・進学に関する記事を5回連続で掲載します。

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